問い合わせ完了だけをGoogle広告へ送っても、その問い合わせが商談や契約へ進んだかは伝わりません。対象外の営業メールも一件として数えれば、自動入札は事業に合わない問い合わせを増やす可能性があります。
オフライン コンバージョンを始める前に決めたいのは、取り込み方法ではなく、営業がどの成果を同じ基準で記録できるかです。契約だけを戻すのが正確に見えても、件数が少なく結果が出るまで長ければ、日々の判断には使いにくくなります。
営業段階を同じ基準で記録する
問い合わせ後の状態を担当者の感覚だけで分けると、Google広告へ戻すデータも揺れます。「良さそう」「話を聞いてくれた」ではなく、誰が見ても同じ結果になる条件を置きます。
広告へ戻す候補を、発生頻度と事業への近さで整理すると次のようになります。
| 営業段階 | 判定の例 | Google広告での役割 |
|---|---|---|
| 問い合わせ | フォーム送信が成功した | ウェブ上の初期成果 |
| 有効リード | 対象業種、地域、予算など最低条件を満たした | 問い合わせの質を区別する |
| 商談 | 日程が決まり面談を実施した | 営業へ進んだ成果を示す |
| 契約 | 契約が成立した | 最終成果と売上を評価する |
最初からすべてをメインのコンバージョンへ入れません。同じ顧客の問い合わせから契約までを三件として入札へ渡すと、成果を重複して評価する場合があります。
戻す成果は頻度と事業価値で選ぶ
BtoBで月に契約が一件しかない場合、契約だけでは変化を判断するまで時間がかかります。その前段階である有効リードや商談を、継続して同じ基準で記録できるなら候補になります。
一方、問い合わせ件数を増やしたいだけなら、オフライン成果を追加しても運用目標は変わりません。対象顧客を増やしたい、商談化率を上げたい、売上の高い契約を優先したいという判断があるときに意味を持ちます。
私は、営業担当者が毎週更新できる一番深い段階から始めます。契約情報が月末にまとめて入力される会社なら、有効リードを先に安定させ、契約は評価用に残す方法があります。
広告との照合方法をフォームから決める
オフラインで起きた成果を戻すには、広告接触と営業記録を結び付ける情報が必要です。Googleは、クリック起点の成果にリードの拡張コンバージョンを推奨しています。フォームで取得したメールアドレスや電話番号などをハッシュ化して送り、後から取り込む営業成果と照合します。
GCLIDを保存し、コンバージョン名、発生日時などとともに戻す方法もあります。どちらを使う場合でも、問い合わせ受信後に識別情報を失わない設計が必要です。
フォーム改修だけで完了するとは限りません。CRMやスプレッドシートに営業結果が残らなければ、広告へ戻す元データを作れません。先に一件の問い合わせが契約まで追えるか確認してください。
顧客データの利用条件を確認する
リードの拡張コンバージョンでは、ユーザー提供データをGoogleへ送ります。ハッシュ化して送ることだけで、データ利用の確認が不要になるわけではありません。
フォームの案内と同意の取得方法を確認します。プライバシーポリシーと社内の取扱基準も必要です。Googleの顧客データに関する規約やポリシーは、実装前に読む必要があります。
営業担当者が自由記述へ入力した個人情報を、そのまま一括送信しないようにします。照合へ使う項目と、広告へ送らない営業メモを分けてください。
コンバージョン値と値のルールを混同しない
契約金額や期待粗利を成果ごとに戻せるなら、コンバージョン値として記録できます。価値に基づく入札を使う場合は、その値の意味が継続して同じであることが重要です。
コンバージョン値のルールは、地域やデバイス、オーディエンスなどの条件に応じて値を調整する機能です。実際の商談結果を取り込む代わりにはなりません。大阪の問い合わせは価値が高いと仮定する前に、営業データでその差を説明できるか確認します。
すべての問い合わせへ同じ仮の売上を付けても、問い合わせの質は伝わりません。値を精密に見せるより、有効リードと対象外を分ける方が先です。
重複と反映遅延を確認してから入札へ使う
新しいオフライン成果は、最初から入札へ使わずサブのコンバージョン アクションとして照合できます。CRMの件数、取り込み成功件数、Google広告の記録件数を同じ期間で確認します。
同じ成果を再送して重複していないか、発生日時が問い合わせ日時になっていないかも見ます。商談が二週間後に発生するなら、直近の広告実績には未確定の成果が残ります。
件数と値を説明できる状態になってから、メインの成果やキャンペーン目標へ含めます。Google広告のコンバージョン設定で確認することで、メインとサブ、目標の関係も確認できます。
まず過去一か月の問い合わせを開き、対象外と有効リードを分けます。その後、商談と契約まで同じ基準で分けられるか試してみましょう。取り込み方法を選ぶのは、その記録を継続できると分かってからです。