Google広告の配信地域は、会社や店舗の住所ではなく、顧客へ商品やサービスを届けられる範囲から決めます。近隣だけに対応する事業なら、全国へ配信した後で不要な地域を除くより、実際の商圏を最初から設定した方がわかりやすいです。

ただし、地図に引いた境界線どおりに広告が配信されるわけではありません。Googleは端末や行動などの情報から地域を推定します。小さく絞るほど正確になるとは限らず、必要な人まで対象外になる場合があります。

私は、提供できる範囲を決めてから地域を登録します。その後に「その地域へ関心がある人」まで含めるかを考えます。配信後は実際に一致した地域を見て、最初の想定との差を直します。

商圏は直線距離の前に決める

最初に確認するのは、顧客まで何kmかではありません。その場所から依頼を受けたとき、採算を保って対応できるかです。

たとえば訪問修理なら、同じ10kmでも移動時間は変わります。川を渡る道路が少ない地域や、鉄道で大きく迂回する場所では、地図上の近さが実際の商圏と合いません。

店舗へ来てもらう場合も同じです。最寄り駅から近くても、生活圏が反対方向なら来店は期待しにくくなります。既存顧客の住所や問い合わせ時の移動手段を見ると、距離だけではわからない境目が見えてきます。

商圏がまだわからない場合は、最初から細い境界を作らない方が良いです。確実に対応できる範囲から始め、地域外の相談が増えた場所を後から見直します。

所在地とインタレストで届く人が変わる

Google広告の標準設定は、対象地域にいる人だけでなく、その地域へ関心を示した人も含みます。Googleの画面では「所在地またはインタレスト」と表示されます。

この設定は、地域外から現地の情報を探す事業に向いています。旅行前に宿を探す人や、転居前に不動産を調べる人は、検索時点で対象地域にいないことがあります。所在地だけへ絞ると、こうした見込み客を外す可能性があります。

反対に、すぐ訪問できる範囲だけで受け付けるサービスでは「所在地」を検討できます。遠方から地域名を検索した人へ広告が出ても、その場では依頼を受けられないためです。

所在地へ変更すると、通常は表示回数が減ります。広い方が良いという意味ではありません。地域外から探す行動が成果につながるかを考え、対応できないクリックだけを減らします。

市区町村と半径を地図どおりに信じない

配信地域は、国や都道府県のほか、市区町村などで指定できます。店舗住所を中心とした半径でも設定できますが、指定できる単位は国や地域によって異なります。

半径は1km以上で設定します。極端に狭い地域は、対象となる人数やデータが足りず、設定できない場合があります。登録できても広告が断続的にしか出ないことがあります。

半径は、道路に沿った移動時間ではありません。地図上の円が山や海を含むこともあります。円の内側だから配信し、外側だから止めるという使い方より、実際に依頼が来た場所と照らして調整した方が良いです。

市区町村も厳密な壁にはなりません。現在地はIPアドレスや端末位置情報などから推定されます。データが少ない場所では、直接指定できない近隣地域の人へ広告が表示される場合もあります。

除外は対象地域と重なる場所だけに使う

広い地域を対象にしながら、対応できない場所が一部含まれる場合は除外を使います。対象と除外が重なったときは、除外が優先されます。

たとえば大阪府を対象にして、訪問できない市だけを外す使い方があります。最初から大阪市だけを対象にしているなら、他府県をすべて除外する必要はありません。対象外の地域へは通常配信されないためです。

除外を重ねるほど安全になるわけでもありません。位置情報には推定が含まれます。境界付近の顧客を取りこぼしても受けられない地域なのかを確認してから追加します。

マップだけにする設定は地域設定ではない

Google広告には、地域に関係するように見える設定が複数あります。どれを変更しているのか曖昧なままでは、マップへ広告を出したつもりで配信地域だけを変えることがあります。

設定決めること設定例
地域ターゲティングどの地域条件に合う人へ届けるか大阪市、店舗から10km
住所アセット広告にどの店舗情報を表示するか店舗住所、距離、地図
デマンド ジェネレーションのチャネルコントロールどの広告枠へ配信するかマップ、YouTube、Discover

デマンド ジェネレーションでは、広告グループのチャネルを「自分で選択」にし、マップだけを残す構成が可能です。ただし、マップを選んでも大阪市だけへの配信にはなりません。人の地域条件は、地域ターゲティングで別に設定します。

マップで実際に配信するには、アカウントで自社店舗用の住所アセットを有効にする必要があります。Google公式ヘルプでは「未提携の住所表示オプション」が有効な場合だけと案内されています。広告主が直接所有する店舗の住所アセットを指し、販売店の場所を示すアフィリエイト住所アセットとは区別されます。

マップだけを選択できても、表示回数は保証されません。広告タイプやオーディエンスによって利用できない場合があり、Googleは多くの広告主に全チャネルの利用を推奨しています。マップでの反応だけを確かめる理由があるなら、全チャネルの広告グループと分けて比較します。配信面を限定すること自体を改善と考えず、来店や問い合わせの質まで確認してください。

検索キャンペーンでも、住所アセットを設定した広告がGoogleマップに表示される場合があります。これはデマンド ジェネレーションのチャネルコントロールとは別の仕組みです。マップだけを選ぶ新しい設定と混同しないようにします。

配信後は一致した地域からずれを直す

設定を保存した後は、地域レポートを確認します。「ターゲット地域」は登録した地域ごとの実績です。「一致した地域」では、広告表示につながった所在地または関心のある地域を確認できます。

対象地域を大阪市にしていても、所在地またはインタレストを使っていれば、遠方から大阪を調べた人が含まれる場合があります。意図した配信なら残します。対応できない相談が続くなら、所在地だけへ変えるか、除外する場所があるかを検討します。

管理画面の地域と、実際の問い合わせ住所が一致するとは限りません。広告から来た相談を受けたときは、対応地域だったかを営業側でも記録します。その結果まで戻すと、表示回数を減らすためではなく、受けられない依頼を減らすために設定を直せます。

地域ターゲティングは、一度で正解を引く設定ではありません。まずは顧客へ提供できる範囲を地図に置き、所在地またはインタレストのどちらが事業に合うか確かめてみましょう。